福島県会津地域に日本最大の森林保護区が つくられることになりました
会報『自然保護』2006年5/6月号より転載
会津地域には約10万haの国有林がありますが、2006年の夏までに、そのほぼすべてを保護地域にすることが決まりました。
30㎞四方にもおよぶ広大な地域で、群馬県の尾瀬から山形県にまで広がる自然林です。位置づけは、新しく指定する会津山地森林生態系保護地域、山形・福島県境に既につくられている飯豊山と吾妻山の2つの森林生態系保護地域の拡大、そしてそれらに挟まれた森林を、飛び石状の地域も含めて面的に緑の回廊(コリドー)とするもので、日本最大の森林保護区となります。
この森も2001年まではブナの大木が伐採されたり、正規の手続きを怠って施業がなされるなど自然保護をめぐる厳しい対立と批判があり、NACS-Jは日本野鳥の会の本部・支部からの要請を受け、解決に向けて対応していました。その結果、続いていた施業は02年に全面停止されました。
NACS-Jは03年には将来のあり方を考える検討会の設置を提案、この検討会に04年から06年2月まで参加し、全体を大規模に保全していく必要性を答申しました。その結論を受け、NACS-Jも参加した3月の林野庁による設定委員会でこの指定が決まったものです。
ご協力いただいた、特に福島県内の会員の皆さまと報道各社に感謝いたします。
(横山隆一・常勤理事)
森林生態系保護地域および緑の回廊設定箇所(予定)
(検討会資料より作図)