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特定外来生物法が成立。運用の方法が外来種問題解決のカギ?

2004.07.01
活動報告

会報『自然保護』No.480(2004年7/8月号)より転載


 
NACS-Jでは、「野生生物とその生息地を守るための27の提言」や意見書の提出を通じ、外来種問題への法整備の必要性を訴えてきました。

政府は昨年3月に中央環境審議会に移入種対策小委員会を設置、「外来生物」を人為的に移動させられた生物とし、国内での移動の問題や、島嶼など重要管理地域での対応の必要性なども盛り込み、12月に答申が出されました。

これに基づき法案がつくられましたが、法案では海外由来の外来種だけに限定し、生態系、農水産業、人の健康に影響の大きいものだけを「特定外来生物」として輸入や飼養を規制、影響の可能性があるものを「未判定外来生物」とし「特定」に指定すべきか判定するものとされました。

「特定」、「未判定」の指定の方法は明らかにされておらず、影響の知見のない生物は規制されない可能性もあるなど、対策の実効性について疑わしい点が少なくないものとなりました。

 
NACS-Jは、他団体と協働で国会へのロビーイングを続け、その結果、衆参両議院ともNGOからの課題提案で活発な議論が行なわれました。衆議院では吉田正人理事が参考人として、種の指定直後に遺棄される飼養動物を一次収容する施設の必要性などの意見を述べました。

今後、政府は施行までに「基本方針」を策定し、法に表れていない細かな事項を定めます。基本方針の内容によって運用や実効性が左右されてくるため、より一層の注目と監視が必要です。

 

(保護研究部・大野正人)

 

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