里地の生態系モニタリング調査の手法、検討中です
里地の生態系を総合的にモニタリングするための調査手法の検討を進めています
「里やま」を代表とする身近な自然の価値は近年広く認められるようになり、環境省が2002年に発表した「新・生物多様性国家戦略」でも、生物多様性を保全する上で重要な地域として、里地里山の保全が謳われています。しかし身近な自然を変えていく小さな宅地や道路の開発などが、私たちが気づかないうちに進み、全国で身近な自然の喪失を招きました。
▲地点4 調査風景
保全が困難な身近な自然を残していくためには、自然環境の変化を捉え、その変化が「いつ」、「どこで」起きたのかを正確に把握し、それ以上の悪化を予防することが大切です。そのために有効な手段として、地域の自然環境をモニタリングすることが求められています。また、地域の自然環境を長期間にわたりモニタリングするためには、地域の自然愛好家やNGOなど、その地域に愛着を持つ人たちが、調査の主体となってその地域の自然を見つめ続けることが必要です。
そこで(財)日本自然保護協会は、地域住民やNGOが中心となり、専門家の協力のもとに、地域の自然を継続的に調査するための調査手法の検討を進めています。
2003年度からは、茨城県の宍塚大池で、市民参加で生態系を総合的にモニタリングするための調査を試行し、調査手法のとりまとめを進めています。今後もこの調査を継続し、調査手法をよりよいものにしていくため、検討を継続する予定です。
*平成15年度は、日本自転車振興会により以下の事業として助成をいただきました*
「平成15年度市民参加の地域自然環境モニタリング調査の手引きの作成・普及補助事業」