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那覇防衛施設局による名護市議会への説明に対する公開質問

2004.02.12
要望・声明

2004年2月12日

那覇防衛施設局長 岡﨑 匠殿

(財)日本自然保護協会
常務理事 吉田正人

 

那覇防衛施設局による名護市議会への説明に対する公開質問

 
名護市辺野古海域におけるボーリング調査に関しては、当協会より1月25日の沖縄ジャングサウォッチの結果、ボーリング予定地付近は良好な海草藻場であり、予定地近くにジュゴンの食痕を発見した旨の情報提供をさせていただきました。

しかし、2月10日に那覇防衛施設局の中田建設部長が名護市議会を訪れ、「日本自然保護協会による食痕の発見は新聞等で承知している。しかし日本自然保護協会がGPSで記録したジュゴンの食痕の緯度経度と、我々の座標(那覇防衛施設局のボーリング位置)を比較した結果、ジュゴンの食痕は200mほどリーフの内側に離れた場所であるので問題ない」と説明したと聞いております。

当協会としては、ジュゴンと海草藻場の保全のため、重要な情報を提供したつもりでおりますが、当協会に対しては何も説明がなく、名護市議会に対して都合のよい説明をしたことについて、強い憤りを感じます。

ついては以下の質問をさせていただきます。なお、事態が切迫していることから、当協会の質問および貴局からの回答は公開とさせていただきます。できる限り早急にご回答くださるようお願いいたします。

 

1、ジュゴンの食痕とボーリング予定地の位置について

1) ジュゴンの食痕の位置(GPSによる緯度経度)とボーリング予定地の座標(平面直角座標のXY座標)をどのように比較したのか計算の経過を教えてください。
 
2) ジュゴンの食痕の位置がたとえ200mほどリーフの内側にあったとしても、ジュゴンが辺野古サンゴ礁リーフ内の海草藻場を餌場として利用しているという事実には変わりはありません。南北1000m、東西6000m(辺野古崎から松田まで)のリーフ内では、200mというのは非常に近いと言わざるを得ません。ジュゴンはリーフ外からリーフ内の海草藻場に遊泳してくることから、食痕の手前の位置でボーリングが行われれば、その採餌行動に影響が出ると考えるほうが自然です。貴局が、ジュゴンの食痕は200mほどリーフの内側に離れているので問題がないと判断するのであれば、どのような根拠で判断されたのか教えてください(もし専門家の意見を聞いた上でそう判断されたのであれば、専門家の氏名と意見を教えてください)。

 

2、辺野古崎付近の海草藻場とボーリングの予定地の位置について

1) 1月25日の沖縄ジャングサウォッチでは、ボーリング予定地のうち、辺野古崎付近の1-1地点近く(X=57324.3、Y=54983.2)においてダイビングによる海草の確認を行いました。その結果、リュウキュウスガモ、ウミヒルモなどが生育する良好な海草藻場(被度20%以上)であり、貴局が「事前調査結果」で示されているような「海草被度5%未満または被度5-10%(1-1)、海草なし(1-5、1-6)」という結果とはかなり異なるものでした。

 
貴局の調査では、わずか2m四方の面積を分母として被度を算定しておられるようですが、その周辺には良好な藻場が広がっているのではないでしょうか? 事前調査においてボーリング予定地点の周辺の藻場の状況はどのようなものであったかを教えてください。

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