絞り込み検索

nacsj

尾瀬・至仏山の保護に取り組みます

2003.07.01
活動報告

会報『自然保護』No.474(2003年7/8月号)より転載


至仏山の保全、そして尾瀬の公園計画の見直しが予定されたことを受けた尾瀬沼・尾瀬ヶ原地域全体のあり方の検討が課題で、この委託事業は柱の一つです。

至仏山は、蛇紋岩(じゃもんがん)という一般の植物には毒になる成分を含む岩石の山なので、その生物群集は特殊なものとなり、尾瀬ヶ原の高層湿原とともに尾瀬の自然を特徴づける二大要素です。

ところがこの蛇紋岩植生も、長年にわたる人の踏みつけや施設整備、それがきっかけとなって集中するようになった雪や雨の力によって、攪乱と消失が続いてきました。

030701至仏山2002調査時.jpg▲2002年度調査時の至仏山の様子

この事業では自然破壊状況を生態学的に診断し、今の施設と人の利用方法を変える必要がある部分については、登山道のコースや入山の仕方そのものについて大胆な変更の提案をすることを念頭においています。

また、特殊な自然の永続的な保護のため、自然公園制度の中にできた「利用調整地区」の指定(環境大臣による)を目標にしています。

おおむね二年間で行なう緊急対策ですが、守るべき自然性を確実に守った上で、国立公園らしい環境教育の場とすることができる保全利用の形も見つけ出したいと思います。

030701登山道の踏みつけ.jpg▲登山客による踏みつけで、地面の流失が起こっている

横山隆一(常務理事・総合プロジェクト担当)

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する