石垣島のサンゴ礁保全、再度意見書を提出
会報『自然保護』No.473(2003年5/6月号)より転載
『沖縄県・新石垣空港建設計画』は、1979年に石垣島東岸の「白保サンゴ礁」に計画され、NACS-Jでは建設案が顕在化した1985年から、独自の調査に基づいて「白保サンゴ礁生態系」を評価してきました。その結果、日本および世界的な自然資産として、この生態系を次の世代に継承すべきであると18年間にわたり主張してきました。
この計画は、このような保護活動、地域住民の反対運動により予定地が三転四転し、昨年夏には、カラ岳の南側を予定地とすることが発表されました。昨年末には「新石垣空港整備事業に係わる環境影響評価」の手続きに入っていました。これは環境影響評価法に基づく手続きとして、最初のもののひとつです。
先日発表されたのは、環境影響評価方法書というものですが、NACS-Jで検討した結果、予測方法や評価方法がまったく不十分であることがわかりました。また何よりも、適切な調査の方法を決める段階であるにもかかわらず、すでに調査は終わっており、これは環境影響評価法そのものの趣旨に反していました。NACS-Jは今年2月、沖縄県に対し意見書を提出し、この環境影響評価をもっと適切に行なうよう厳しい注文をつけました。
今後もNACS-Jでは、白保地区のサンゴ礁保全のために、科学的な環境影響評価を求めていきます。
(編集部)