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愛知万博”海上の森の改変は最小限に” ~政府出展施設、さらに見直し

2002.01.01
活動報告

No.463(2002年1.2月号)より転載


 

日本国際博覧会協会は、11月26日、海上の森・南地区に予定していた政府出展施設(里山日本館)を西地区に変更すると発表した。南地区の自然の改変を最小限にとどめる観点から、国際博覧会事務局(BIE)の会合を前に、再度見直されたものだ。

 

■政府出展施設のための仮設道路

会場計画を検討していた愛知万博検討会議の後継組織の一つ、「海上地区会場計画モニタリング委員会」(山本幸司座長、博覧会協会主催)が10月10日に始まり、NACS-Jから吉田が参加した。初回は会議の公開をめぐって激しい議論をし、テレビモニターを通じての公開が確保された。10月24日は、海上南地区の政府出展施設をめぐり、仮設道路によるシデコブシ・ホトケドジョウなど希少種への影響が大きな論点となったが、発注までに時間がないとして”2名の反対意見はあるが、おおむね妥当”とまとめられてしまった。

11月1日の愛知万博フォローアップ会議(後継会議の1つ。博覧会全体の行方を注視する。委員が自主的に開催)でも、モニタリング委員会の姿勢や仮設道路が問題になった。反対意見を主張していた吉田・森山委員(愛知教育大教授)は辞任表明によって改めて意思表示することを決め、博覧会協会・経済産業省・愛知県知事に仮設道路の見直しを求めた。

この結果、冒頭にご報告したとおり、博覧会協会は政府出展施設を南地区から西地区に移すことを決定。南地区には里山遊歩ゾーンとして広場と遊歩道だけが残された。この発表を受け、吉田・森山両委員はモニタリング委員会に復帰した。

次の課題は、「『里山学びと交流の森』検討会」(後継会議の1つ。愛知県が設置)で、海上の森の長期的な保全活用計画を具体化することだ。里山遊歩ゾーンは、県道で青少年公園地区と結ばれている。この県道の環境への負荷を減らすことに加え、この道は海上の森が恒久的な里山保全活用の場となることを条件に県道として認定されたので、いまだ新住宅市街地開発事業の特別会計に残る土地を一般会計に移管し、海上の森を里山の重要性を伝える場とするよう、愛知県に働きかけていきたいと思う。

(吉田正人・NACS-J常務理事)

020101会場見直し案.jpg

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