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「賢明な利用のモデルとしてラムサール条約登録推進を」

2000.01.01
活動報告

東京湾・三番瀬の保全を環境庁長官に要望

=会報『自然保護』No.443(2000年1/2月号)より転載=

 


 

1999年11月25日、三番瀬埋め立て計画問題について、清水嘉与子環境庁長官と面談した。面談にはNACS-Jから保護研究部の吉田と開発、世界自然保護基金日本委員会、日本野鳥の会からの4名が出席した。

私たちは自然保護の立場から、

  1. 埋め立て計画地となっている猫実川河口部の干潟・浅瀬生態系が果たす生物多様性保全・水質浄化機能の現況
  2. 人工干潟は自然の干潟の機能に及ばず、自然の干潟・浅瀬を潰して造成すべきものではないこと
  3. 埋め立て計画の枠をはずし市民参加を保障した上で、三番瀬及び東京湾の環境回復、まちづくりの議論に取り組むことの必要性

について説明し、「賢明な利用(ワイズユース)」のモデルとして三番瀬のラムサール条約登録推進を求めた。

長官は、柔らかな表情で私たちの説明をひとつひとつ頷きながら聞き「東京湾における三番瀬の干潟・浅瀬の重要性及び三番瀬保全の必要性は認識しています」と答え、埋め立て計画の枠を越えた市民参加のまちづくり・環境回復の議論の必要性の説明に対しては「積極的で建設的な提案ですね」と理解を示した。

12月25日には千葉県による第4回計画策定懇談会が開催され、三番瀬はまた新しい局面を迎える。

環境庁には、開発計画を厳しくチェックするとともに、関係省庁に働きかけ、三番瀬及び東京湾の環境回復事業への取り組みを始めるなど21世紀を迎えるにふさわしい環境行政を期待したい。

(開発法子・保護研究部研究担当部長)

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