熊本県・川辺川関連データ
川辺川の概要
- 長さ62km、流域面積533km2、球磨川第1の支流
- 流域ではアユ漁が盛んであり、地元の貴重な収入源となっている。
- 川辺川中流部には「五木の子守歌」で有名な五木村がある。
- 昨年の環境庁調査では、ほかのいくつかの河川とともに水質日本一とされている。
- ダムは相良村に建設され、これにより相良村・五木村の集落の一部が水没する。
川辺川ダム概要
主な自然環境上の問題
- ダム計画地周辺にクマタカが生息
- 貴重な生物のすむ鍾乳洞「九折瀬洞(つづらせどう)」が水没
- ダム建設による水環境の悪化→アユ漁への打撃
NACS-Jの取り組みの経緯
- 地元では、66年の計画発表当初からダム建設に対する地元住民の反対があった。最初の頃はダムに沈む五木村住民が反対運動の中心となっていたが、現在では人吉や八代など下流部の運動も活発化している。さらに、県内や福岡、東京などでも運動を支援する輪が広がっている。
- 96年、長期化した事業の是非を検討するための「川辺川ダム事業審議委員会(ダム審)」が設置されたが、審議委員の人選や審議の内容、公開性などに疑問を残したまま、96年8月10日、事業継続を認める答申が出された。
- 96年8月19日、建設省がダム審に対してクマタカの営巣を報告していなかったことが判明。クマタカの繁殖活動を維持する生態系とダム開発の関係を計るために、地元有志がクマタカ調査を行うことを決め、NACS-Jはその活動をサポートすることにした。
- 98 年、自然観察指導員熊本県連絡会から九折瀬洞について調査したい旨要望あり。九折瀬洞はツヅラセメクラチビゴミムシ(RDB絶滅危惧種)やイツキメナシナミハグモなど、独特の生物が住む貴重な場所であることが以前から専門家に指摘されていた。実際に洞内の自然環境を確認して、保全の重要性を広く訴えるため、自然観察指導員熊本県連絡会が主催しNACS-Jと九州大学探検部が協力して99年11月6日九折瀬洞調査を行い、11月8日川辺川工事事務所に申し入れをした。