意見書その1 (はじめに)
南東部地区新住宅市街地開発事業
瀬戸都市計画道路1-3-2号
豊田都市計画道路1-3-4号
名古屋瀬戸道路に係る
環境影響評価準備書に対する意見書
はじめに
日本自然保護協会は、2005年日本国際博覧会に関して、1996年12月、保護委員会の下に、第1次海上の森・万博問題小委員会(委員長:金森正臣愛知教育大学教授)を設置し、「里山の自然と文化を破壊する-21世紀地球EXPO構想-:NACS-J万博問題小委員会見解書-愛知県瀬戸市・海上の森『2005年国際博覧会構想』の自然保護上の問題点」をまとめ、1997年6月2日、内閣総理大臣、通産大臣、環境庁長官、愛知県知事、愛知県議会21世紀万博誘致調査特別委員会委員長に意見書を提出した。
その後、国際博覧会協会総会において、2005年国際博覧会の愛知県での開催が決まり、通産大臣が環境影響評価法を先取りした環境アセスメントの実施を決めたことから、1998年5月、第2次海上の森・万博問題小委員会(委員長:金森正臣愛知教育大学教授)を設置し、同年6月1日、2005年日本国際博覧会、瀬戸市南東部地区新住宅市街地開発事業、名古屋瀬戸道路の環境影響評価計画書(方法書)に対する意見書を提出した。
本意見書は、2005年日本国際博覧会協会、愛知県によって、1999年2月24日に公告縦覧された、2005年日本国際博覧会、瀬戸市南東部地区新住宅市街地開発事業、名古屋瀬戸道路の環境影響評価準備書に対する意見をとりまとめたものである。意見のとりまとめにあたっては、第1次、第2次の海上の森・万博問題小委員会委員のうち、小笠原昭夫(愛知県自然環境保全審議会専門委員)、金森正臣(愛知教育大学)、中村俊彦(千葉県立中央博物館)、八田耕吉(名古屋女子大学)、波田善夫(岡山理科大学)、広木詔三(名古屋大学)、森山昭雄(愛知教育大学)、鷲谷いづみ(筑波大学)の方々から、それぞれの専門分野に関してコメントをいただいた。記して感謝申し上げたい。
2005年日本国際博覧会協会、愛知県が、本意見書が指摘する問題点を真摯に受けとめ、指摘された項目の環境影響評価をやりなおし、環境影響に関する総合評価を書き直すとともに、2005年日本国際博覧会、新住宅市街地開発、都市計画道路の事業計画を根本から見直すことを要望したい。
1999年4月6日
財団法人日本自然保護協会
理事長・保護委員長 奥富 清