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大規模林道再評価委員会の結論に対するコメント

1998.12.18
要望・声明

 

1998年12月18日

財団法人 日本自然保護協会
保護部長  吉田 正人

林野庁の大規模林道事業再評価委員会(座長、北村昌美山形大学名誉教授)が本日、今年度における再評価の結果を発表しましたので、それに対するコメントを発表します。

【1】朝日-小国区間の「中止」について

朝日一小国区間が大規模林道事業指定ルートとして完全に廃止されたという内容で、NGOの主張が全面的に認められたものであり、再評価委員の決断を評価する。林野庁及び山形県、地元市町村は今後、当該地域の自然環境を国民共有の貴重な財産として次世代に引き継ぐために、地元NGOと協力して具体的方策を検討し、実施すべきである。なお、朝日工区における修復工事等については、必要最低限の範囲内で自然環境に配慮して行われるように、工事内容を全て情報公開し、NGOの監視の下に実施すべきである。

【2】再評価のあり方について

再評価委員会は非公開で行われ、議事録も今日に至るまで第1回目分しか公開されておらず、公開性が極めて不十分だった。また、民有林も含めたわが国の森林行政のあり方が、林業振興・木対生産重視から、森林生態系を中心とする生物多様性保全を視野に入れた森林管理へと大きく転換する中、再評価委員会が大規模林業圏開発構想そのものの見直しをしなかったのは誠に遺憾である。

再評価は来年度以降も続くので、

1)委員会にNGOの推薦する学識経験者を含めること、

2)委員会を公開すること、

3)個別の工区の見直しではなく大規模林業圏開発構想に踏み込んだ全体的な見直しを行うこと、

4)5年ごとの定期的見直しだけでなく、NGOから問題指摘されている区間を積極的に再評価の対象とすること--の4点を強く求めたい。

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