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吉野川第十堰建設事業審議委員会に対する申し入れ

1998.06.04
要望・声明

平成10年6月4日

吉野川第十堰建設事業審議委員会
委員長 添田 喬 殿

(財)日本自然保護協会
保護部長 吉田正人

吉野川第十堰建設事業審議委員会に対する申し入れ

拝啓 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて昨日(6月3日)、建設省四国地方建設局河河川部河川計画課ならぴに徳島工事事務所より、第13回書野川第十堰建設事業審議委員会を6月8日に開催するとの発表がなされました。報道によれば、環境問題に関する自然保護団体からの意見聴取は行わず、審議委員会としての結論を出すとのことですが、それは事実でしょうか。

日本自然保護協会は、さる3月27日、建設大臣ならびに吉野川第十堰建設事業審議委員会委員長に対して意見書を提出し、「吉野川第十堰の可動堰化が環境に与える影響に関して、未だに未解決の問題が数多<残され、このまま最終判断を急げば、吉野川下流部の豊かな自然環境にとりかえしのつかない悪影響を与えることになる」、「結論を急がずに、これらの重要課題について、最新の科学的知見を有した研究者や、自然保護団体の意見の聴取も含め、徹底的に議論した上で、事業の可否を判断すべである」との意見を申し述べました。

その後、第12回春議委員会において、「洪水による堰上げ」問題に関する意見聴取は行われましたが、環境に与える影響に関しては、意見聴取の機会は未だに設けられておりません。

この数年問、長良川河口堰、利根川河口堰などの影響調査が実施され、可動堰が、流域水環境に与える影響に関する科学的知見が飛濯的に増大、しています。
その結果、環境調査委員会の助言を得て建設省が実施した吉野川第十堰に関する環境調査と、それにに基づ<可動環化の影響予測は、もはや最新の料学的知見に基づいたものとは言えません。(利根川河口埴の流域水環境に与えた影響調査に関しては、ここに報告書の版下と概要版のコピーをお送りします。湛水域の浮遊藻類の発生や、堰上下流の底泥の堆積などに関して、建設省の説明は誤りであることが、ご理掃いただけると存じます。)

つきましては、第13回の審議委員会において、最終的な結論を出すことは避け、第14回以降に、日本自然保護協会、徳島県自然保護協会、日本野鳥の会およぴ3団体が推薦する研究者に対して、可動堰化が環境に与える影響に関して意見聴取の機会をを設けるよう、申し入れます。なお、この申し入れに対する回答を、文書で下さるようお願いいたします。

敬具

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